fhd-vs-qhd

QHD と FHD の違いとは?

ヒント
XPPen 2025-12-29 11:43:25 9 分で読める

液晶ペンタブレットを選ぶ際に重視されるポイントのひとつが、ディスプレイの解像度です。現在、市場で特に主流となっているのが QHD と FHD の2種類です。両者の違いを正しく理解することは、新しい液晶ペンタブレットやディスプレイの購入を検討しているアーティストにとって欠かせません。本記事では、それぞれの特徴や違いを整理し、用途に合った最適な解像度を選ぶためのヒントをご紹介します。

QHD 解像度とは?

QHD(Quad High Definition)は、一般に「2.5K」とも呼ばれる高解像度規格です。解像度は 2560 × 1440 ピクセルで、標準的な HD(720p)の約 4 倍の画素数を誇ります。総画素数は約 370 万に達し、より精細で情報量の多い表示が可能です。高い解像度と広い表示領域を確保できることから、細かな表現が求められるデジタルアート制作において、QHD は特にメリットの大きい解像度といえます。

QHD が特に活躍するシーン:

  • プロ向けデジタルアート制作 QHD 解像度のモニターは、細部まで正確に描写できるため、繊細な表現が求められるデジタルアート制作に最適です。高精細な表示は、アーティストの作業効率と完成度を大きく向上させます。

  • ゲーム用途 高い画素数によって映像の情報量が増え、より美しく臨場感のある画面表示が可能になります。特に FPS などのジャンルでは、細かな描写と没入感の向上が大きなメリットとなります。

  • 映像・マルチメディア視聴 高いピクセル密度により、映画やストリーミング動画の映像がよりリアルで鮮明に映し出されます。QHD は、シャープでクリアな映像体験を提供します。

    代表的な QHD モニターの仕様

  • 解像度:2560 × 1440

  • 画面比率:16:9

  • 総画素数:約369万画素

  • 22インチ時の画素密度(PPI):約133.7

  • 主なパネル方式:IPS/VA/OLED

  • 一般的なリフレッシュレート:60Hz/75Hz/144Hz/165Hz

FHD 解像度とは?

FHD(Full HD)は、1920 × 1080 の解像度を持つ、広く普及している表示規格です。総画素数は約 210 万で、QHD ほどの高解像度ではないものの、十分に高品質な映像表現が可能です。そのため、多くのデバイスやモニターで採用されています。FHD は長年、エントリーモデルのモニターにおける標準解像度として使われてきましたが、現在でもデジタルアート制作を含むさまざまな用途で安定したパフォーマンスを発揮します。高いコストパフォーマンスと、バランスの取れた画質を兼ね備えた FHD モニターは、今なお多くのユーザーに選ばれています。

FHD が特に活躍するシーン:

  • 日常的な用途 ウェブ閲覧や SNS、オフィスワークなどの普段使いでは、FHD 解像度で十分な見やすさと鮮明さを確保できます。極端な高精細表示を必要としない作業に最適です。

  • コストパフォーマンス重視 画質を妥協せず、できるだけ予算を抑えたい方には、フル HD モニターが現実的な選択肢となります。価格と性能のバランスに優れている点が魅力です。

  • ゲーム・映像視聴 QHD には及ばないものの、FHD でもゲームや映画を十分に楽しめます。カジュアルなゲームプレイや動画視聴には必要十分な解像感があり、解像度が低い分、動作が軽く高いパフォーマンスを得やすい点もメリットです。

    代表的な FHD モニターの仕様

  • 解像度:1920 × 1080

  • 画面比率:16:9

  • 総画素数:約207万画素

  • 22インチ時の画素密度(PPI):約100.13

  • 主なパネル方式:TN/IPS/VA

  • 一般的なリフレッシュレート:60Hz/75Hz/144Hz

その他の解像度ラインナップ

ディスプレイ市場には、デジタルアート制作に対応する多彩な解像度が存在します。FHD や QHD はその中の代表的な選択肢に過ぎず、実際にはより幅広い解像度のバリエーションがあります。各解像度の特徴を把握することで、創作活動から日常利用まで、自分の用途に最適なディスプレイを選びやすくなります。

解像度 / 解像度サイズ / 総画素数 / 一般的な名称 / 主な用途

解像度解像度サイズ総画素数一般的な名称主な用途
HD1280 X 7200.9M720pエントリーレベルのディスプレイ
FHD1920 X 10802.1M1080p標準的なプロレベル作業
QHD2560 x 14403.7M2.5K, 1440pハイエンドなクリエイティブ作業
WQHD3440 x 14405.0Mウルトラワイド QHDパノラマ型ワークフロー
4K UHD3840 x 21608.3M4Kプロフェッショナル向けの高品質な作業

FHD と QHD の比較:自分に合った液晶ペンタブレットを選ぶには?

FHD と QHD、どちらの解像度を搭載した液晶ペンタブレットを選ぶべきかは、使用目的や作業内容によって異なります。解像度は重要な要素ですが、それだけで最適なモデルを判断することはできません。

色再現性、作業効率や使いやすさ(エルゴノミクス)、そして長く使い続けられるかどうかといった長期的な価値も含めて、総合的に検討することが大切です。

表示性能と画質の違い

FHD と QHD モニターで最もわかりやすい差は、画面表示の細かさです。QHD(2560 × 1440)は、FHD(1920 × 1080)に比べて約 77.8% 広い作業領域を提供できます。ピクセル数が多いことで、デジタルアートでの細かい描写や複雑な作業でも、より精緻な表現が可能です。

また、写真や動画の編集作業でも QHD の高精細度は大きなメリットとなります。細部まで描き込むイラストや高解像度素材を扱うプロのアーティストにとって、QHD のクリアな表示は作業の正確性を保つ上で不可欠です。

ただし、高解像度モニターは動作させるためにそれなりのハードウェアが必要になる場合があります。FHD モニターはほとんどの現行システムで問題なく動作しますが、QHD モニターを快適に使うには専用の GPU が求められることもあります。

色の正確性と再現性

モニターを選ぶ際、細部の表現力だけでなく、色の正確さも重要なポイントです。QHD ディスプレイは色再現性能を高めるための技術が搭載されており、Adobe RGB カバー率は約 99% に達します。これに対し、一般的な FHD モニターは 90〜95% 程度です。この差は日常使用ではあまり気にならないかもしれませんが、グラフィックデザインや画像編集を行う場合には、色精度が選択の重要な判断基準になります。

さらに、QHD モニターの高いピクセル密度により、より滑らかで自然な色再現が可能となります。デジタルペイントや写真編集ではその違いが顕著に表れます。QHD は平均 ΔE(色差)が 1.5 未満であるのに対し、FHD は平均で ΔE が 2 程度であり、プロフェッショナル作業において色精度が向上していることが分かります。

作業効率と生産性の向上

高解像度のモニターは、画面サイズの拡大につながることが多く、作業領域が広がることで生産性向上に役立ちます。QHD モニターは FHD に比べ約 77.8% 多くのピクセルを持つため、デジタルアートやクリエイティブ作業で複数のツールを効率的に配置できます。特に、複数の参照画像や大規模なツールパレットを扱う複雑な作業環境では、この追加の表示スペースが非常に有用です。

デジタルペイント

  • FHD モニター:基本的なツール配置と中サイズのキャンバスに十分なスペースを提供

  • QHD モニター:参照画像、拡張ブラシパレット、大きな作業領域を同時に表示可能

  • 高ピクセル密度により、より正確なブラシ操作や細部の描写が可能

グラフィックデザイン

  • FHD モニター:標準的なデザインソフトのレイアウトを快適にサポート

  • QHD モニター:デザインのバリエーションを並べて比較可能

  • 余裕のある作業スペースで、複雑なツール配置や複数のアートボードも扱いやすい

アニメーション・モーショングラフィックス

  • FHD モニター:基本的なタイムラインベースの作業に対応

  • QHD モニター:長いタイムライン、複数プレビュー、ツールパレットを効率よく配置可能

  • 高解像度により、フレーム単位でのアニメーション作業の精密さが向上

FHD と QHD 液晶ペンタブレットの比較

この記事で紹介した解像度対応のペンタブレットを検討する際には、業界で定評のあるモデルも視野に入れると良いでしょう。FHD モデルには XPPen Artist 22 Plus、QHD モデルには XPPen Artist Pro 22(Gen2) をおすすめします。

XPPen Artist 22 Plus (FHD)

XPPen Artist 22 Plus (FHD): 21.5 インチの FHD ディスプレイを搭載し、鮮明でクリアな表示を実現。コストを抑えつつ、品質にこだわりたいアーティストに最適です。通常のグラフィックデザインやデジタルアート作業に十分な作業領域を提供します。

さらに、リアルな色表現が可能で、実物に近い作品制作にも役立ちます。デジタルアート向けの機能を備えつつ、手頃な価格で入門者にもおすすめできる液晶ペンタブレットです。

XPPen Artist 22 Plus (FHD)

ディスプレイ仕様

  • 解像度:1920 × 1080(FHD)

  • パネル方式:IPS

  • 色域カバー率(標準):99% sRGB、91% Adobe RGB

  • 応答速度:14ms

  • コントラスト比:1000:1

  • 輝度:250 cd/m²

  • 視野角:178°

XPPen Artist Pro 22 (Gen2) (QHD)

QHD 解像度を搭載したこのモデルは、 Artist Pro 22 (Gen2) 鮮明な画質と広い作業領域を提供し、デジタルアートで最高のパフォーマンスを求めるアーティストに最適です。高解像度により、複雑な作品でも細部まで精密に描写でき、プロフェッショナルな作業にも対応できます。

動画編集、グラフィックデザイン、写真編集など、幅広いクリエイティブ作業において、市場でもトップクラスの選択肢です。さらに、16kの筆圧感知スタイラスが付属しており、繊細な描写も可能です。 XPPen Artist Pro 22(Gen2)は、ハード・ソフト両面で充実した仕様を備えており、デジタルアーティストの作業効率を大幅に向上させます。

Artist Pro 22 (Gen2)

ディスプレイ仕様

  • 解像度:2560 × 1440(QHD)

  • パネル方式:IPS

  • 色域:sRGB 99%、Adobe RGB 99%、P3 94%(三色空間切替対応)

  • 応答速度:14ms

  • コントラスト比:1000:1

  • 輝度:250 cd/m²

  • 視野角:178°

XPPen Artist 22 PlusとArtist Pro 22(Gen 2)の比較表

項目XPPen Artist 22 PlusXPPen Artist Pro 22 (Gen2)
解像度1920 X 10802560 X 1440
パネル方式IPSIPS
色域91% Adobe RGB99% Adobe RGB
色精度/ΔE < 1*
コントラスト比41.667361111111141.6673611111111
輝度250 cd/m²250 cd/m²
視野角178°178°
画面表面アンチグレア エッチングガラスアンチグレア エッチングガラス

FHD と QHD:どちらの解像度が描画に向いているか?

最終的に FHD と QHD のどちらを選ぶかは、あなたのニーズと予算次第です。より高解像度で作業したい場合、プレミアムな液晶ペンタブレットに予算をかけられるなら、QHD モニターが適しています。一方、予算が限られていて手頃な価格のモデルしか選べない場合は、FHD モニターでも十分です。

作業環境も考慮に入れましょう。QHD はコンピューターにより高い処理能力を要求し、作品ファイルも大きくなります。多くのプロのアーティストは、デジタルイラストやコンセプトアートでは FHD でも問題なく作業できます。解像度の差は、細部まで描き込む作品や大画面で確認する場合に最も目立ちます。また、自分のアートスタイルや作業内容に合わせて選ぶことも重要です。

まとめ

QHD と FHD にはそれぞれメリットがあり、最適な選択は用途と予算によって変わります。両者の違いを理解することで、より適切な判断ができ、デジタルアートの作業効率や体験を向上させることができます。

次の液晶ペンタブレットを探しているなら、XPPen Artist Pro 22(Gen 2) もおすすめです。アップグレードの準備はできていますか?自分の制作スタイルに最も合ったモデルを選んでみましょう。

XPPenについて

2005年に始まり、XPPenは現在、HANVON UGEEのトップブランドの一つとして、デジタルイラスト制作向けの製品、コンテンツ、サービスを統合し、世界的に注目されるデジタルアートのブランドとなっています。

もっと見る

ガイド

image
image

コメントを書く

お問い合わせ

お問合せ先


カスタマーサービス

連絡メール:servicejp@xp-pen.com


電話サポート

電話受付:平日9時~17時

(土・日・祝祭日除く)

電話サポート・年末年始休業のお知らせ

休業期間:12月27日 (土)~1月4 日 (日) 

新年始業:1月 5日 (月)


電話お問合せ

購入相談:03-5577-7638

技術サポート:03-4570-2327